会社の承継ってどういうこと?
「社長の高齢化や病気でこれ以上続けられない」
「引退して好きなことをしたい」
色々な理由で「会社を誰かに譲りたい」ということが起きます。
これを「会社の側」から見ると経営のトップが後退するということです。
ちょっと例が悪いですが、毎日のように「〇〇社長が引責辞任」というニュースを見ます。

大会社では大赤字や不祥事のたびに社長がコロコロ変わってしまうのです。
そう思うと経営トップの交代なんて簡単じゃないのか、と思ってしまいます。
「社長の交代」と「事業承継」は同じ?
では中小企業も同じように社長の交代ができるでしょうか。
そんなわけはないですよね。
大企業では分業ができています。
後継者(社長の座を狙う人)も大勢います。
ある程度マニュアルもあります。
社長が変わっても「現場」は変わりなく動きます。
従業員や取引先に大きな混乱や迷惑をかけることはありません。

さて、中小企業の社長はどうでしょうか。
社長が代わったら事業は止まってしまうかもしれません。
工場が止まるかもしれません。お店が開けないかもしれません。
あなたの会社に工場長はいますか?
営業部長は?人事部長、経理部長、財務担当役員、開発責任者は誰ですか?
「ぜんぶ社長が一人でやってます」
という会社がわりと多いのです。

役割と業務(ヒト)を引き継ぐ
事業承継ではヒト・モノ・カネ・情報の引継ぎが大事だといわれます。
このうちヒトの引継ぎとはこの「社長の役割や仕事の引継ぎ」のことです。
社長が交代するということは、簡単に言うと「社長の仕事をぜんぶ代わりにやる」ことです。
後継者は今の社長と同じ仕事をしないといけないのです。

中小企業の社長が工場や店舗などの現場で働くことは珍しくありません。
社長は「司令塔」と「プレーヤー」の両方の役割を果たします。つまりはプレイングマネージャーです。
「社長がいないと現場が回らない」という会社は珍しくありません。
現場の仕事は1日たりとも止めるわけにはいきません。取引先に迷惑がかかりますし売上に大きく影響します。
スムーズかつ完全な引継ぎが必要となるのです。
モノ・カネ・情報を引き継ぐ
引き継ぐものは社長の「仕事」だけではありません。
「会社」、「商売」、「事業」も引き継ぎます。
つまりどういうことかというと。

建物、設備、在庫(モノ)も引き継ぎます。
事務所、製造に必要な機械、お客を呼び込む店舗などです。
寿命寸前の機械、こだわった贅沢な設備、過剰在庫、変な趣味の装飾品も引き継ぎます。

カネを引き継ぎます。現預金はもちろん、借金、売掛金、買掛金もです。
資本金や株式を引き継がなければならないこともあります。

情報もです。書類、データなどです。
また「仕事」と被りますがノウハウ、知識などの見えない情報も引き継ぎます。
地位を引き継ぐ
中小企業の社長交代では、人脈や人間関係の引継ぎも大事です。
新しい社長が前の社長と同じように取引をするためには取引先との信頼を作ることから始めます。
大企業ならば社長が誰に代わってもと「あの会社なら安心だ」と取引を続けてもらえるかも知れません。
しかし中小企業は「社長個人を信頼している」、「○○さんだから取引する」という場合が多いです。

それなのにある日突然、「知らない人」、「実績のない人」、「残念な人」を社長にしてしまったらどうでしょうか。

これでは経営も商売もうまくいくはずがありません。
承継は計画的に
ここまで見たように、中小企業を後継者に承継させるのはたいへんです。
やることが多いです。
関係する人が大勢います。

準備をしないで「いきなり交代」というのは難しいです。
何年もかけて後継者に知識と経験を積ませて、今の社長がフェードアウトしていくのが理想でしょう。
後継者候補がいない
このように事業承継は長い時間と大きな手間が必要です。
ところが引継ぎどころではない会社があります。
「そもそも承継をする後継者がいない」会社がとても多いのです。
後継者がいない会社は「売却」、「廃業」などの選択肢になってしまいます。
あなたの会社はどうでしょうか。
まずはこちらのフローチャートを使ってみましょう。

事業の終わり時、撤退ラインもたしかに重要です。
手遅れにならないうちに会社を畳むことも大事です。
ダラダラと赤字を出しながら事業を続けるのはとても危険です。
しかし、本当に手は尽くしたのでしょうか。
やり残したことはありませんか?
中小企業診断士など、外部の意見を聞いてみるのも一つの方法かもしれません。
