「どうして?」「WHY」のために
わたしは5W2Hで考えることをお勧めしてます。

5W2Hで「分けて」「比べて」考えるのです。
これは最終的には「どうして?」を見つけるためです。
5W2Hで考えるときには、頭の隅でいつも「どうして?」と考えるようにします。
これを「仮説」といいます。
仮説はなるべくたくさん作ることが大事です。

仮説をたくさん作る
仮説がたくさん必要なのは、仮説のほとんどが「正解ではない」からです。
ましてや「最初に思い付いた仮説」が正しい確率は「ゼロ」だと思ってください。
正解する確率を上げるには「たくさん仮説をつくる」「仮説を競わせる」しか方法はないのです。

まず仮説をたくさん作ります。
どんどん作ります。

そのうえで勝ち抜き戦で競わせます。
方法はトーナメントでもバトルロイヤルでも蟲毒でもなんでもいいので勝ち抜かせます。

競い合う中で仮説は磨かれますし、そこから「新しい仮説」に生まれ変わることもあります。

生き残った仮説以外は捨ててしまいましょう。
そうして「よりよい仮説」を磨きあげていくのです。
「最初の仮説」にこだわってしまうワケ
ところがどういうわけか、「最初に思い付いた仮説」が勝ち残ることがよくあります。
それどころか「仮説が一つしか出ない」「最初の仮説がすんなり通ってしまった」ことも起こります。
上で解説したとおり、仮説は「後に出るほど研ぎ澄まされる」「精度が上がっていく」性質があります。
最初の仮説より、後に出てくる方が「良いもの」が多いのです。
もちろん最初の仮説が必ず外れるわけでもありません。
「試合が中止 → 雨が降ったから」というのは「誰でも思いつく」「当たり前」のことです。
このような「最初の仮説」が正解になることは実際にあります。

それを抜きにしても、「最初の仮説」が残ってしまうことが多いのです。
理由は3つあります。
1、 思考停止
人は考えることが苦手です。
「どうして」「なぜ」を考える仮説や発想のような思考は特に苦手です。
苦手なことをするのは辛いこととです。
人間は無意識に「辛いこと」を避けようとします。

そのため仮説が一つ出ると、「これでいいや」と考えるのをやめてしまうのです。
会議も同じです。みんなが「早く会議を終わりたい」と思っていると最初の仮説に飛びついて終わってしまいます。

2、執着
自分の考えた仮説には思い入れがあります。
頑張って仮説がひとつ思いつくと「おお、俺ってすげえ」「いい案だなあ」と自画自賛してしまうことがあります。
自分の仮説に感心してしまうのです。

するとその案がどうしても気に入ってしまう。輝いて見える。好きになってしまい思い入れが入ってしまう。
その結果、冷静で客観的な判断ができなくなってしまうことがあるのです。

3、話を先に進めてしまう
会議やミーティングでよく起きることですが、問題点の仮説が出るとすぐに解決案を考えてしまいがちです。
特に「頭の回転の速い人」がメンバーにいると、即座に「ああ、それだったら…」と解決案を出してしまいます。
そしてその解決案について「どうやって進めようか?」「誰がやるの?」と盛り上がって話が進んでいきます。

店舗の売上はどうだ?

「鮮魚コーナーの売上が下がってます。」

鮮魚か。秋だしサンマの不漁のせいだな

「なるほど」
「さすがです」
「気が付かなかった」

サンマの代わりになる商品を揃えよう
何かないか?

「焼き魚ですので干物とか塩鮭とか」
「青魚なら塩サバとサワラですね」

仕入れ先はどこがいいかな。
セールも考えなくては。

「干物ならツテがあります」
「サバは〇〇水産が良いでしょう」
「セールの件は営業部と打ち合わせます」

よろしく頼むよ
一見すると、議論が活発でスムーズな会議のように見えます。
でも、「サンマの不漁」はまだ「最初の仮説」なんです。
例えば鮮魚コーナーの不振の理由が「最近異動した鮮魚コーナーの調理師が不慣れ」だったらどうでしょうか。

これで対策が「干物、焼き魚の仕入れ」「鮮魚コーナーのセール」で売上が回復するわけがありません。
仮説が「ハズレ」だったら、会議の議論はすべて無駄になります。
そしてその解決策の実行も…おそらく無駄になるでしょう。
どうやってたくさん出すの?
「仮説がたくさん必要なのはわかった。」
「じゃあどうやってたくさん出すの?」
もっともな質問です。次のような会議ならどうでしょう。

鮮魚コーナーが不振か。
サンマが不漁で売上が上がらないようだが。
他に何かないか?

「昨今の魚離れの影響かもしれません」
「最近売り場のリニューアルがありました」
「円安で輸入魚の値段が上がっています」
「全体的に品数が減っています」

仮説が出そろったかな?
分けて比べて検証しよう。

「サンマは去年も不漁です。影響ありません」
「焼き魚用の商品も下がっていません」
「売り場のリニューアルの直後から全体の売上がジリジリ低下しています。」

リニューアルが原因か?
どの商品が売れなくなっているんだ?

「冷凍、生魚は変化なしです」
「加工魚も変化なしです」
「刺身が大きく下がっています」

わかった、調べてみよう。
こうして正しい正解にたどりつきました。
仮説にいちいち反応しない
人は問題を目の前にすると「解決しなきゃ」という気持ちが先走りがちです。
仮説をひとつ出すたびに「こうしよう」「ああしよう」と議論していては時間がかかりますし、何より無駄です。
ここはぐっと堪えて、仮説を出すことに集中しましょう。
解決策を考えるのは、最後に残った仮説(つまり最適解)だけでよいのです。
5W2Hで仮説を導き出す
仮説をたくさん出すことは、最初に言ったように難しくて辛い作業かもしれません。
また「常識」や「規制概念」にとらわれていると柔らかい発想ができなくなります。
お勧めなのは5W2Hなどの「考え方の枠」に当てはめてみることです。

いろいろな角度からモノを見る、考え方を型にはめる、こういったことで一人では出せなかった発想が生まれることがあります。
ぜひ試してみてください。
最低3個は出す
有名経営者のインタビューや討論会の動画を見ているとよく出てくる数字があります。
「理由は3個ありまして」
「3つ提案があります」
というものです。

これ、たいてい嘘です。
実はこの時点で3つも思いついていないことが多いんです。
なぜかというと、この一言で「自分を追い込んでいる」わけです。
著名な経営者や有名なコメンテーターは「仮説はひとつじゃだめだ」ということを理解しています。
だから最低でも3つは「ひねり出そう」とします。
普段からそのような習慣がついているので、まず「3つあります」と宣言してしまうのです。
その証拠に、その後「実は2つしか出なかった」とか「4つあった」なんてことがよくあります。
おもしろいので注意して聞いてください。
こうやって有名な経営者は自分を鍛えています。
これは日常生活でも訓練できます。
「時計が止まった」
「ご飯が炊けてない」
原因を決めつける前に、「3つ」可能性を考えてみてください。