5W2H だれが③
分類で見えてくるもの
前回の記事で「お客さんが何者か」を知ることが大事だと話しました。
「何者か」を知るにはお客さんの分類、つまり「切り分け方法」によって見え方が変わることも話しました。
例えばスーパーのお客さんを「何を買っているか」で分類してみます。

今度は同じ分類を「なに屋」として見ているか、としてみます。

肉だけを買いに来るお客さんにとっては、このスーパーは「肉屋」です。
弁当だけを買いに来る人にとっては「弁当屋」です。
「食品なら何でも買う」というひとから見て初めて「スーパーマーケット」になるのです。
こうして、見る位置を「内から外へ」変えるだけでもお客さんの印象も変わりますし、自社の姿も新しく見えてきます。
では今度はお客さんがお店を「どう使っているのか」という分類にしてみます。

するとお客さんが「安いから来る」「品質が良いから来る」「便利だから来る」という見かたができるようになります。
こうした分類ができれば、品ぞろえや売り場レイアウトの変更などに参考になるかもしれません。
ではそれはどうやるのか。
「新しい見かた」「新鮮な発想」などはなかなか出るものではありません。
むしろ見つけられたらチャンスにもなります。
見つけ方は「たくさん出す」「いくつか組み合わせる」などのコツがありますが、詳しくは別の機会に話したいと思います。
参考 スーパーの分類例
例えばお客さんを5W2Hで分類しようとすると次のような例があるかと思います。
まずは「いつ」です。

グラフの種類は棒グラフでも折れ線グラフでも構いませんし、表に数字を入れたものでもかまいません。
今回は直感でわかるようにヒートグラフっぽいもので示してみました。
グラフの中身は架空のものですので参考にはなりませんが、このように「いつ」「時間軸」だけでもいろいろな切り口があるのがわかります。
そのほかの「どこ」「なにを」「どうやって」「どれだけ」についても思いつくだけ書いてみました。

(「だれが」と「なぜ」は考えないので実は3W2H)
思いつくままに書いてみました。
もっと有効な切り口、分類もたくさんあると思います。
切り口はたくさん思いつくことができますし、組み合わせの種類になると無限大になります。
データが集まらない
ここで大きな問題に気が付きます。
切り口や分類方法を思いついても、そのデータがないこと。またはデータを集める方法がないことです。

お店が持っているお客さんのデータは実はそんなに多くありません。
特に不特定で大勢のお客さんが来るような小売店、スーパーマーケットでは「だれが」を特定することはできません。
前に話しました「性別」と「年齢」ですら、小売店は情報を持っていないのです。
だからレジにボタンを配置するなどの涙ぐましい努力をしていました。

ましてやお客さんが「どこから来た」「どこに住んでいる」という情報は手に入りません。
せいぜい「駐車場のナンバープレート」などの肌感覚で想像するしかないのです。

ではどうするかというと、「まずは社内のデータを最大限活用する」しかありません。
幸いにもレジに「商品の購入データ」は揃っています。
日付や時刻の情報もあります。
これらを組み合わせて「何が売れた」→「だれが来た」と想像することで、「新しい情報」「自分だけの情報」を生み出しましょう。
分析ができない
もう一つ大きな問題があります。
たとえデータが十分にあったとしても、分析ができないことです。
できない理由として「やり方を知らない」「時間も人手もない」「費用がかかる」などがあります。
「やり方を知らない」について。
専門家に頼むか、とにかく小さなことからチャンレンジして経験を積むしかないでしょう。

逆に「難しい」ことこそ、ライバルに差をつけるチャンスでもあります。
ノウハウや経験は必ず会社の宝となります。
「時間も人手もない」「費用がかかる」について。

まずはできる範囲で簡単なことから始めてはどうでしょう。
最初から大きなことに挑戦すると、「最後までできない」「苦労したのにそんなに効果が上がらない」ということが起きてしまいます。
小さな成果を積み重ねて、「この先効果が上がるかどうか」を慎重に判断しながら費用をかけていくしかありません。

目的は何か → 「仮説を出すこと」
ここで「うまく分けられるようになった」「分析ができた」「顧客の姿が見えてきた」ときに注意してほしいのが、まだこれは「仮説」だということです。
今はまだ「社内分析」の途中です。
何かを決めたり、動き出すには「情報」や「仮説」が少なすぎるのです。

いまは「①社内の情報を分析」している最中です。
このあと「②社外の情報」「③(自社以外の)お客さんの情報」を調べます。
そして②,③で出た仮説で「答え合わせ」や「組み合わせ」をすることになります。
今の時点では思いついた仮説はしっかり記録して保存しておきます。
早い段階で結論を出してしまったらどうなってしまうかは、「仮説のススメ」を見てください。

目的は何か→「売上を上げること」
もうひとつ、「無限にアイデアが湧き出てくる」ぐらいのレベルになったら、少し歯止めをかけましょう。
「仮説はあればあるだけよい」とは言いましたが、なにごとも限度があります。

仮説は「たくさん出す」段階から「絞り込む」段階に移ります。
どこかで「仮説を出す」作業をとりやめるときが来ます。
ちょうどよい具合に「仮説を出し尽くした」のならばよいですが、
時々発想がとんでもない方向に行くことがあります。

そうならないためには、発想の途中で「いま何の話をしてるんだっけ?」「そもそも何のためなのか」ということを思い出すことです。

確かにユニークで斬新なアイデアは「思いもかけない角度」からの発想が突破口になることもあります。
また「見たこともないような斬新なアイデア」をみつけることもできるかもしれません。
それでも引き際は大事です。
いまここで考えることは「お客さんは何者か」ということです。
わたしもすこし話が飛び散っていたようですね。
次回はいよいよ「なぜ」に進みます。

